~にゃんこ部屋管理人の独り言4~

~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL40

 

 皆さま、明けましておめでとうございます。平成27年の7月に開設させて頂いたファミーユも、令和の時代に入り、早いもので9回目の新年を迎えることが出来ましたことを心からお礼申し上げます。これも常日頃からひとえに施設運営を支えて下さっている、入居者様たちの生活を担うに必要な業者の方々、ファミーユに信頼を寄せて下さっているご家族様たちのお蔭様だと職員一同、言葉では言い尽くせぬ感謝の気持ちで溢れかえっております。

 いつも本当にありがとうございます。

 

今年はかねてより話題に上っている2025年問題の渦中の年でもあり、13日の2119分頃には宮崎県で最大震度5を観測する大きな地震が発生し、昨年末からはインフルエンザが全国的に猛威を振るうなど不穏な雰囲気でのスタートではありますが、当の施設はといえば入居者様たちの元気なお姿と、関わるスタッフの充実した空気に包まれ、木枯らしも吹き飛ばす勢いでございます。

 

粉雪が舞う日もありましたが、この数日間は風も無く天気も穏やかな晴れ間が広がり、日中は人にも近所の野良ネコちゃん達にも過ごしやすい日が続いているんじゃないでしょうか。

 

1年の計は元旦にあり』有名なことわざですね。〝年の初めの元旦に計画を立てて行うべきである〟や〝何事も最初が肝心である〟などなどの意味があるようですが、僕の解釈といいますか、信条でのこのことわざは、その年の最初の行動が1年を通して自分に大切な指針になると心掛けています。僕の今年の初めてのおこないは、早朝から自宅のトイレ掃除をし、施設へ着いてからは玄関の風除室や土間の床を感謝の気持ちを込めながら掃除をした事です。玄関先の掃除は毎日の日課としております。たまたまその時間に出勤して来られた職員さんで「私がやりますよ」と言って下さる人もいらっしゃいますが、毎回お気持ちだけ有難く頂戴し、お断りさせていただいています。この掃除は業務ではなく、恩返しのつもりで行っておりますので、僕にやらせてもらいたいのです。この施設に入居を決定する判断をされるご家族様や入居者様ご本人、それに毎日身を粉にして頑張ってくれているスタッフ達が1番最初に足を運ぶ場所がそこだからです。

飲食業時代も玄関先やトイレ掃除などには言うまでもなく気を配っていましたが、勤めていた居酒屋やバーの両方で大変お世話になっていたある歯科医の先生に、歯科医として経営者として職場の環境美化など、どういう風に指導されていらっしゃるのか1度カウンター越しにお尋ねした事があります。するとその先生は「入口の階段と下足場はオイの所に治療に来て下さる患者さんがのぼって来らす所けん、毎日オイが掃除しよるとさ」とおっしゃられました。精悍なご容姿の上に、実は3代続く伝統ある老舗の開業歯科医の先生が、自分の代になってかなりの年月が経ったその当時でも実践されていらっしゃる事に衝撃的な感銘を受け、新しいお手本として胸に刻みました。その先生の下にいらっしゃるスタッフの方なども何度かお会いし、その先生がきちんと指揮系統や職場の秩序を築き上げていらっしゃる事は存じていましたが、あの年齢とキャリアを重ねながらも、己の腕を看板として掲げる仕事と共に、商売人としての基本を自ら行われていた事実に強い尊敬の念を抱かせて頂きました。

 

施設にお見えになられた方が異口同音でよく建物の綺麗さを褒めて下さりますが、10年後も20年後もその様なお言葉を頂けるよう、表面上の材質の手入れだけでなく、入居者様やご家族様が満足され、また、従事する者すべての活力がみなぎり、場の空気から誇れるような施設運営を目指して行きたいと考えております。

楽器や車や仕事道具なども感謝の気持ちを込めながら手入れをし、使い続けていると必ずその心意気に答えてくれるようです。もちろん生き物もそうじゃないでしょうかね。飼ってしまったという義務だけから、惰性的に面倒をみているペットよりも、本当に愛情を傾け育てている動物や植物は生命の輝きが違います。

 

まだまだ足りない部分も目に映るかと思いますが、この年も、変わらぬご高配と共にご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。

 

 

これを書いている本日は、3月並みの気温のようですが、暦の上では大寒期に入ったみたいです。節分までの2週間ほど、寒さがぶり返す日もあるかと思いますが、くれぐれもお身体にはご自愛され、この1年もさらに素晴らしい毎日を過ごされて下さい。

 

令和7年も皆さまにとって飛躍の年となり、ご多幸に満ちられる事をファミーユ一同心からお祈り申し上げます。

 

令和71月吉日 にゃんこ部屋管理人

 


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL39

 

 春の芽吹きを目の当たりにし、猛暑を経て束の間の秋を堪能したかな?と記憶もまばらに突っ走ったこの令和6年も、今日を含めてあと10日を切ってしまいました。今月に入り毎年の恒例ともなった、ある入居者様のご長女様がお母様にプレゼントされた数種類のハープや草花を織り込んだ、手作りのクリスマスリースを僕たちスタッフ一同も楽しませて頂き、それから瞬く間に、月末に差し掛かろうという第4週となりました。クリスマスリースをお持ちされたその時に頂いたマリーゴールドやレモンの木の葉は僕の目の前でまだまだ元気に咲き続けています。

 

当施設に関わられるすべての方々のお蔭様で、今年もなんとか無事にこの時期を迎えることが出来ました事を、職場を挙げて皆様に心より感謝いたしております。つまづきそうになりながらも、近くの誰かに支えられ、今年も恩恵にめぐまれた1年でした。走馬灯のようには、まぶたの裏で駆け巡る事はありませんが、今年も様々な場面が脳裏に浮かびます。今年も喜ばしい出会いとかけがえのないお別れを繰り返し、有難くまた貴重なファミーユの歴史を積み重ねさせて頂きました。

 

 世間の至る所では華やいだクリスマスのイルミネーション。

暗闇に浮かぶ永遠の煌めきに魅せられて、偶像と分かった後でもサンタクロースはいくつになっても誰の心の中にも宿り続けているのでしょうね。

我がファミーユでも、そこかしこに飾り付けやアイテムで聖なる日を指折り数え、慎ましやかながらも自分達なりに華やいだ雰囲気を醸し出させていただいております。スタッフが工夫を凝らした装飾やイベントで入居者様たちに、その時々の季節感を僅かでも実感し楽しんで頂けたら幸いです。

 

個人的な思い出になりますが、99年の冬、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーの点灯式に参加したことがあります。東海岸の大都会で、極寒の風に吹かれながらも摩天楼のど真ん中で灯された電飾の輝きを見た瞬間は今でも忘れません。

 

クリスマスが過ぎればあとは短期間で新年に向けての多忙な準備が待っていますが、この和洋折衷の大きな行事が控えた数週間を、世の中はよく見事に切り抜けているものだなと毎年関心させられます。表には出ずとも各々の役割を担い全うする人たちのお蔭様でしょうね。職場という組織も同じだと思います。

 

皆様にご愛顧をいただきながらのファミーユですが際限ないご協力の下、1歩づつ前に進ませて頂いております。

 来たる年も我々全力で取り組み粉骨砕身、与えられた道に精進をする所存でございます。何卒よろしく、変わらぬご支援を心よりお願い申し上げます。

 

 

 皆様におかれましては流行り病などにご用心され、お出かけの際などはなるべく暖かくし、慌ただしくも充実された年末をお過ごしください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

令和612月某日 にゃんこ部屋管理人

 


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL38

 

今までにいくつかの職業を経験し、何か所かの街で暮したことがあります。この年齢になるまで、どんな歳の取り方をするのか、またどんな人生を歩むのか希望と不安の感情を交互に覚えながら、なんとか現在に至りましたね。雨の日も風の日も、雪の日も強い照り返しの時も常に目の前のその日や、その時期に大切な義務と自身の生活に必要な事柄を繰り返し、時代をまたぎここまで来ました。

 

十人十色、その人たちのそれぞれの人生があられます。高級な車に乗れるのが当たり前であったり、口当たりの良いお酒を毎日嗜むことが出来る方もいらっしゃいます。僕とは比べ物にならない次元の豊かで高水準な生活様式もあります。ただ、僕から見れば天上人ともとれる、そんな生活水準を満たされた経営者の方から以前かけられた、ある言葉を今でも座右の銘の1つにさせて頂いています。何人かでお会いする時はあまり直接お話をする事はなかったのですが、2人きりになったある時、「こいから先、どがん経験ば重ねてどがん立場になろうが、絶対に足元ば見失ったら駄目よ。いつでも地に足ば付けとかんばけんね」と。

まばゆい程の領域にいらっしゃる人たちでも、その方々なりにその場所で律する為の哲学や戒めがあられるのでしょうね。分不相応に己の器を超えた何かを手にした時、それに振り回され、没落への道を辿るか飛躍の足掛かりにしてしまうのかは常日頃の自身の振る舞いなのでしょう。これはVOL36で書いた人為的に切り開いていく運命に似ている部分もありますが、呼び込む縁とは違い、行動という、やはり日々の生活を営む上での現実的な結果だと思います。

 

この5年ほど月に1度、とあるお寺へ清掃に通っています。ある団体に所属している人間である事は明かしていますが、お寺の関係者の方たちと顔を合わせればきちんとご挨拶はさせて頂くものの、名前は最初の1度だけしか告げたことはなく、休みの日に訪れ敷地内で気になる場所をしばらくの間、無心に竹ボウキで掃き続けています。春に桜の花びらが境内を舞う日や、夏の陽射しが立派な松の木の枝の間から力強く地面に届く日も。秋色に染まった落ち葉やもみじが辺りを賑わす日や、他の季節より乾燥し軽くなった葉っぱが、山門前から国道へと下る石畳の長い階段に敷き詰める冬の日も。

幹線道路沿いなのですが、入り口からの曲がりくねった坂になっている参道を車で一気に登りきれば、そこは下界と一線を画す雰囲気を含んだ、親しみやすくも荘厳な空間。日中、予定が詰まっている日は朝の6時前から清掃を始める事もありますが、そんな時にはご住職をはじめ、僧侶の方々が鐘楼に吊るされた梵鐘を交代で突かれる朝のお勤めに立ち会えるという場面に恵まれる時もあります。

こちらの鐘が澄みきった空気を震わせると、離れたどこかの鐘の音が届き、また違う鐘の音が打ち鳴らされ、心地よい432ヘルツの周波数が早朝の街の西部に響き渡ります。とても贅沢なご褒美の時間です。

 

毎回、清掃後に後ろを振り返ると、掃いた場所はアスファルトが端麗に姿を現し、これが今、自分が歩み進んだ道の1つの形なのかと思わされます。それを目にすると、おこなう営みは違えど、毎日まいにち積み重ね続けている人生が可視化された感じがします。

 

最近の気持ちにピッタリなのはデフテックの『My Way』という曲です。

 

 

少しづつではございますが、面会なども時間を延ばさせて頂いたりしながら、皆さまのご希望に添える運営を心掛けさせていただいております。

今年もあと50日程になりましたが、今年の秋の昼間はどうかしたらまだ半袖姿で外で過ごせるユニークな気候ですけど、急激な気温の低下には、どうかお気をつけられて下さい。ではでは。

 

令和611月某日 にゃんこ部屋管理人 

 


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL37

 昼間は依然として半袖で過ごす事が多いですが、ようやく気温も下がり過ごしやすくなりましたね。秋の気配というにはまだ少し程遠い気がしますが、ちょっと前よりは室内外でも、お仕事や個人的な活動で色んな事に集中できるような気候になって来たのではないでしょうか。

 僕自身はどの季節でも根幹となるルーティンの内容が変ることはないのですが、プライベートな過ごし方で、特に文化面では感じ取り方がその気温や湿度で若干変化するかも知れません。センチになると言ってしまえば僕を知っている人たちの笑いを誘いそうですが、同じ物を見聞きしても、印象が違ってくるのは否めません。夏の終わりから読み始めた小説にしてもページの進み具合で場面の移行もあるのでしょうが、作品自体への没入感が変わります。やはり余計な負担が軽減されてからの方が感情移入や気持ちのふり幅に変化が見られます。

 

元々は黒人音楽が大好きですし、秋に相応しいかは分かりませんけど、最近、気になる曲の1つとしては、ガンズ・アンド・ローゼスというロックバンドの曲で『Knocking On Heaven's Door(邦題 天国への扉)』という曲に身体の芯から指の先まで見事に揺さぶられています。オリジナルは7年前のちょうど今月、シンガーソングライターとしては初めてノーベル文学賞を受賞したアーティストの古い楽曲です。  

いくつもの時代でジャンルの垣根を超え、数多くのミュージシャンにカバーされ、その都度アレンジを加えられながらも中心となる重要な部分のメッセージ性は忠実に継承され続けられている曲です。

ガンズ・アンド・ローゼスのこの曲は、もちろん各パートの楽器や機材もハードロックバンドの演奏用として調整をおこなわれていますが、実際にバンドからつま弾き打ち出される音色は生粋のハードロックな風合いの中に、ノーブルで高尚なメロディの連なりでいて、楽譜の音符の11つへと神が意思を託し宿されているような、そして目をつむると空高くどこまでも続く階段を登りきり、厚く広がる雲の上の天国の扉に本当に手が届きそうな、そんな錯覚を覚えます。原曲より格段に壮麗な感じがする名曲です。いくつかの国家間で生じている終わりが見えない紛争や、国内においても様々な水準の低下に加え、著しい治安の悪化など地球規模での不安定で混沌に満ち溢れている今だからこそ、なおさら胸に突き刺さるのかも知れません。(もし興味があられる方で、YouTubeで視聴されるなら9分1秒尺のライブバージョンがお勧めです

 

腰を据えて芸術を楽しむなら、四季の中ではやっぱり秋が1番向いているんじゃないでしょうかね。夏や冬のように厳しい環境に邪魔をされず(僕のアパートに冷暖房器具が無いせいでもありますが)、春の陽気に心の安定が浮足立って揺らぐ事もなく、純粋にリラックスしながらも五感や感性をフル稼働できる気がします。

 

今日は午後からの雷を伴ったゲリラ豪雨も止み、雲の隙間から光が差し込む極端な昼下がりです。これからの一雨ごとにまた気温も下がり、木々の葉も色付き始め、街も自然も秋らしさを増して来るでしょう。

施設の周りをウロつく猫ちゃん達も自慢の毛皮の衣替えの時期だと思います。

 

 

皆さまも昼夜の寒暖差に体調を崩されませんよう、ご自愛されながらお過ごし下さい。ではまた。

 

令和610月某日 にゃんこ部屋管理人

 

 


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL36

 ご縁というものについて深く考えさせられる時があります。

 僕の高校の後輩たちの話を取り上げてみれば、学校を卒業し、お互い地元に残ってはいたものの、異なる業種に身を置き何年も会っていなかったのに、会社の慰安旅行と個人旅行でアメリカを訪れていた2人が、違う旅行会社と航空会社を利用していたにも関わらず、片や帰国する前の、もう一方は到着した数日後に買い物に立ち寄ったロスアンゼルスのショッピングモールでバッタリ再会した実例があります(個人旅行者の方はフリープランのツアー内容で、本当に飛び込みで入ったようでした)。逆に硬い絆で結ばれていたはずでも、運命の糸がほどけた瞬間、それから何十年も同じ街に住んでいながら顔を合わせる事すらもなかったりと。

 

人生という長く膨大な時間の流れの中で、数年間、またはそれからの一生を同じ刻の軸で過ごして行くというご縁は、普通の生活の営みに見えて実は凄い繋がりなのではないかと思います。

 中学校の同級生同士で、定期的に酒を酌み交わす間柄であった者同士でも、それまでに出来上がった価値観のズレから50歳を過ぎて疎遠になった人たちもいらっしゃいます。人生での分岐点の転てつ器はいつどこで作動するか分かりません。

 

 それぞれを取り巻く運命の輪が浮かんでいるのか転がっているのかは分かりませんが、誰でもその輪が近づいたり離れたりしながら人の縁にのみならず、物事との出会いがあるのでしょう。『一期一会』、『袖触れ合うも他生の縁』。昔の人たちは簡潔ながらも的を得た文言を生み出すのが非常にお上手ですね。

 

 夜空に散らばる星々を見上げては、ただ今の人類が持つ科学技術では辿り着くことの出来ない距離の星団に、僕たちが計り知れない高度で崇高な文明の世界もあれば、これから栄える可能性の惑星もあるのかな。と空想を広げさせられます。

現時点で認識されている時間という概念が、理論的に地球人にとって無限であるとは思いませんが、輪廻転生というものがあるのならば、あと数十回ほど生まれ変われば、海外旅行感覚で何万光年も先の彼方に足を運べる世の中に生を受けれるかも知れません。そんな時代に生まれることも縁でしょう。

しかし、先が見えない現実だからこそ不安もありますが、己の努力である程度は引き寄せることが出来る縁も必ずあります。望む望まないは別としても、身に起こる事柄で偶然にみえる必然的な事象もあると思います。行動が1足早ければ。1歩踏み止まっていたら。など意外と人的な要因で、自身が選択をし、物事と向き合い積み重ねた方向に気運を進める事も出来る時があるんじゃないでしょうか。それが因果となる場合もあるでしょうが(稀にですが、好運を引き寄せる磁力の強い人がいるのも事実です。その反対の人もいらっしゃいますけど)。

また、チャンスは割と誰にでも平等に配られているような気がします。それに気づいて活かせれるかどうかはその人次第ではないでしょうか。確かに最終的な場面で運や縁といった形で左右される結果も沢山ありますけどね。

 

  

 今回は人智を超えてめぐり合う縁と、自分の力で切り開けるであろう推進的な2種類の縁を語らせて頂きました。僕自身、皆さまから頂いている目の前のかけがえのないご縁に感謝し、毎日を大切に過ごして行こうと思っております。皆さま、これからもファミーユ一同、末永いご厚情のほどを宜しくお願い致します。

 

令和69月某日 にゃんこ部屋管理人


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL35

 今月に入り、もう後半に差し掛かりましたが、陽射しの強さは相変わらずで、まだ暑さの出口の見通しがつかない毎日ですね。休みの日にニミッツ・パークで身体を動かす事が日課になっていますが、昼間の焼けたアスファルトの熱が踏みしめるスニーカーの底からジンジンと足の裏に伝わって来ます。

 

佐世保公園を歩いて回ると公園内の整地の上手さに感心させられます。僕が子供の頃に植樹された大木やレンガ調の大きな水道ポンプ場、そして温水プールはそのままに川までの縁石や歩道を伸ばし、あの頃の面影を残しながら時代に合わせた環境を見事に作り上げています。坂の上の公園も資料館として建っていた洋館はかなり前に解体されましたが、中央奥のステージは今も健在しています。小学生の頃、同級生たちと自転車でそのステージからジャンプする技術を競っていた土曜の午後や休日が懐かしいです。

 クールダウンで上の公園から佐世保川の向こうに広がる佐世保市内を眺め、変わりゆく街並みとあの頃のままの公園で満喫するひと時が、今の生活の中で贅沢な時間の1つとなっています。

 

フェンスの向こうで異文化の雰囲気を醸すニミッツ・パーク側も、この街ならではの貴重な地域資源であり財産なのではないでしょうか。いつ頃から開けなくなったのか定かではありませんが、いくつかある球場の片隅に日曜日にオープンするハンバーガースタンドがあり、子供の頃そこでたまにアメリカ版のハンバーガーを口にするのがとても楽しみでした。ファーストフード店以外では、あちらのハンバーガーは初めからケチャップやマヨネーズやマスタードなどの調味料で味付けが施されておらず(ただNYのマクドナルドでは、好みで味が増せるよう、ケチャップとマスタードの追加のプッシュ式のタンクと、それらを入れる小さなプラスチック製の容器がありました)、自分で好きな量と種類の調味料で調整して完成させ、齧り付くスタイルが斬新でした(コストコのホットドッグ売り場でも踏襲されていますね)。実際NYでの移動式販売のキッチンカーでもそんな提供方法で、あたり一帯は塩コショウで焼かれたパティ(ハンバーガーに挟まれる挽肉)のシンプルな香ばしい匂いが漂い、日本の飲食店から調理の際に出る匂いとは明らかに一線を画するものがありました。

 グローブの革に突き刺さる力強いボールの音やバットから打ち出され軽快に轟く打球音、そして言葉は理解できませんでしたが(今もですけど 笑)、青空の下の球場に響き渡るアメリカ人の歓声を耳にしながら頬張る、ファーストフード店や佐世保バーガーとは異なった、ダイレクトなハンバーガーの味は格別でしたね。

 

 アメリカという国の影響力が今よりも遥かに強く、日本も単純ながら元気があった時代のワンシーンだったんじゃないでしょうか。

 

高度経済成長中はもっと凄かったんでしょうね。東京タワーの建設に関してのエピソードも今の常識からすれば、あの時代の安全基準をはじめとした設備や技術など諸々で、よくあんな建造物をたった1年半で竣工させる事が出来たものだと、同じ日本人として誇らしい限りです。設計を担ったのは71歳のベテラン建築家の方だったようですが、施工管理を務めたのは31歳の方、また鳶職を束ねた方はさらに若い25歳の職人さんだったそうです。もちろん諸先輩方からのアドバイスや後方支援もあったでしょうが、あれだけの大仕事をそんな若手のお2人が背負い短期間で遂行した事実に驚愕せずにはいられません。

現在よりも年功序列が強かったであろう時代に、年上の技術者や職人たちも目先の見返りにとらわれず、己が選んだ道の生き様をかけ、惜しみない協力や尽力を注いだ事も成し得た大きな要因だったはずです。

 全国民が日本の復興を切に願った時代の勢いと、建設に携わった関係者の情熱が日本を世界レベルへと踏み出させるきっかけとなった、大きな第1歩だったと思います。

 

 今まさにその世代の方々が当施設をご利用になられています。さらにその先人の皆さまを含め、今日の日本の礎を築いて下さった方々に、敬老月間にちなんだ訳ではなく、平素からの当然の事として心から感謝の意を申し上げさせて頂きます。

 

皆さまいつも本当にありがとうございます。

 

 

 いつになったら涼しく過ごしやすくなるんでしょうね(笑)。地域によっては今の時期でも平均体温を越える気温の場所もあるようで驚きを隠せませんが、皆さま適切な対応を心掛けながら毎日をお過ごし下さいませ。

 ではまた。

 

     令和69月某日 にゃんこ部屋管理人


~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL34


日中はまだまだ厳しい陽射しに照らされる毎日ですが、お盆をまたぐ辺りから朝晩はかなり過ごしやすくなってきましたね。僕が出勤時に通る近くの駐車場でも、近所の猫たちがアスファルトの上で気持ち良さそうに寛いで毛繕いをしています。

夕方はゲリラ豪雨に見舞われましたが、今年も無事に精霊流しは執り行われ、関係者の方々は胸を撫でおろされたんじゃないでしょうか。

 

今は二十四節季上での表記はあまりあてに出来なくなりましたが、ある時期を境に昇りつめた盛夏から移り行く秋への気配は、肌に伝わる気温からだけではなく、周りの生き物の変化を見てもそれらを教えてくれています。

 また、昔より昼夜逆転のライフスタイルを営む人も増え、車社会が定着してしまい、1日を通しても時間帯による区切りというか、夜らしい風情や情緒が漂う場面が希薄になって来たと思います。ですがその反面、ほんの数十分でも夜の静寂やまばらになった人気の中で、虫の声や自生する植物が風に揺られ醸し出す音を聴ける束の間は、花鳥風月とまではいきませんが、凝縮された僅かな時間として贅沢に感じられる様にもなりましたね。

 

 仕事の日は毎朝、日の出の頃に起き、ラジオのスイッチを入れるのですが、最近は早朝の放送も洒落た番組の構成で粋な曲が当たり前に流れ、目が覚めきらないうちから気分を高めてくれます。これも多様な生活様式に合わせた放送局の対応の1つでしょうか。

 

お盆休みも終わり学生さん達も宿題や提出物に追われる時期に差し掛かったのか、7月後半の夏休みに入りたての頃に比べ、なんとなく浮き足立った空気は薄らいできた気がします。手放しで夏を満喫する日々は通り過ぎ、次の季節に向けた準備がいたる所で始まっているようです。

 パリ五輪も無事に閉幕し、青い空の向こう側へと遠ざかりつつある夏は、今年もあらゆる場所でいくつもの忘れられない思い出を生み出してくれた事でしょう。

 

様々な制約やモラルの台頭により、現在は昔より弾け飛んだ行動が取りにくい世の中ですが、この夏に限らず、若い人たちはこの先も数えきれない沢山の素敵な体験を積み重ね続け、有形であれ無形であれ築き上げたかけがえのない、経験というその財産の全てを次の世代へと繋げて行って下さい。それはある意味でこれからの人たちの大切な義務だと思います。

 

 

皆さまにおかれましては、今年も充実した夏をお過ごしの事と思いますが、熱中症をはじめ、再度拡大しはじめたコロナウイルスにご用心され、残夏も引き続きお楽しみ下さい。

ではまた。

 

令和68月某日 にゃんこ部屋管理人

~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL33

 入道雲が浮かぶ夏空の下、街の小路を歩いてみては気温が下がった訳ではありませんが、ほんの少しだけ茹だる暑さから身を隠せるような気がします。軽い痛みを覚える陽射しが照り返すアスファルトの上を、十分に焼け付いた車体がさらにエンジンの稼働でボンネットを熱くさせ、走る灼熱と化した車が目の前を過ぎ行く幹線道路を避け、人目をはばかるだけでも気分的に変わりますね。

 夏休みのせいか、すれ違う人の種類も普段と違い、なんだか街の雰囲気が若返った感じです。

 

先日、仕事場以外で久しぶりにまとまった時間、20代の方とお話をする機会がありました。会話の流れから、確かに街全体で近代的なマンションや建物などが増えたものの、佐世保市役所の前の歩道橋や裏手の川に架かる橋など僕が子供の頃からあり、その周辺の佇まいは良い意味であまり変化がなく、昔ながらの家屋もけっこう残っている事などを話すと、少し目を見開き新たに意外な発見をしたかの様な表情になられました。

 清水中学校の傍の製菓店も僕たちが中学校の頃にはすでにあったみたいで、今も変わらず営業を続けられています。ご夫婦で営まれていらっしゃるみたいですが、あの規模の店舗と小売価格で本当に凄いなと思います。

 市役所自体も所々の補修工事や改修及び、新しい設備の導入はおこなわれていますが、礎となる13階建ての庁舎は数十年前から八幡神社の目の前にそびえ立ち、佐世保の象徴として鎮座しています。市役所の1番上の展望階から見渡す佐世保の景色が大好きですね。市街地や港など色んな側面の故郷の眺めは何度目にしても飽きません。今は周りも高い建物が増えましたが、ここも紛れもなく『鳥の目』といえる場所でしょう。空に近い僕のお気に入りの場所の1つです。

 

 蝉の声が響き渡る街並みが眼下に広がる、いつもとは違う窓の外が新鮮な昼下がり。空調の効いた部屋のガラス戸の先は、ゆるやかに流れる川の紆曲に沿って建つ人々の暮らしの証と原色の濃い緑に包まれた山々。そしてその向こう側へと大きな白い雲が流れる、四角く切り取られた真夏の風景。

 

 夏の暑さも湿気が無ければまだ過ごしやすいと思うのですが、そのお陰で日本は山火事が起こりにくい自然環境なんでしょうね。それはそれでありがたいことです。

 

本日、園車を修理に持って行ったのですが、エアコンの調子も気になり見てもらいました。ガスを少々補充して頂き、帰りに社長さんから2度はエアコンの温度が下がったはずだと言われたのですが、たった2度の差でここまで体感が違うのかと驚きました。現在、気温のほんの1,2度の上昇に警鐘を鳴らし、頭脳集団を軸とした世界のあらゆる機関がこぞって様々な策を講じ、強く呼びかけているのが身に染みて理解出来ました。SDGsへの取り組みは本当に必要です。

 

もう風鈴の音が夏の雰囲気を際立たせるなど悠長な時代ではございませんが、今は今の楽しみ方があります。現状を憂うだけではなく、打開し押し進む心構えも大切かと思います。

 

 

皆さまにおかれましては、これから楽しい夏の行事が待っている今日この頃でいらっしゃることでしょう。コロナウィルスの第11波や猛暑にはご用心されながら今年の夏も充実されて下さい。

ではまた。

 

令和67月某日 にゃんこ部屋管理人

~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL32

 梅雨の合間の晴れた週末、通りを駆け抜ける風は湿気を帯びてはいるものの、あと数日は洗濯物を外に干せそうな天気です。

1人暮らしで私生活を賄い、とある競技に身をおいていますので、日常的な洗濯に加え練習に必要な洗濯物の管理は食事よりも重要な時があります。2つの種目に携わっていますから、似た物を数多く用意していれば良いという訳にはいかず、体調管理と同様に週間の空模様には生活自体が左右をされたりもしますね。

天気予報を真に受けベランダに干して来たら、終業時間まで20分を切った頃から小雨が降り出したり、今朝などは曇り空を用心して扇風機を駆使し部屋干しにして出かけてきたら、午前中からお天道様が顔を覗かせ、そのまま晴れだったりと振り回されたりする事が多々あります。

 

昼間の湿気を含んだ大気の上空に広がる雲と浮かぶ太陽は、すでに夏の気配を匂わせ、子供の頃の夏の日々を懐古してしまいました。

僕たちが子供の頃は普通の飲食店や小売店より小さいサイズの安価なジュースや軽食やお菓子を売っている、いわゆる駄菓子屋さんが下町的な場所を中心に、1つの校区に数店の割合で営まれてしていました。

テレビゲームもまだ出始めの黎明期で、そこまで普及していなかった時代、いま考えればお金を出しまでやりたいかな?といったアナログのゲーム台でも誰かの遊戯中は夢中で眺めていましたね。

街を離れれば山の中では、けたたましく耳に飛び込んで来る、生命力がみなぎる森林の樹木に張り付く力強さに満ち溢れた蝉の声。

砂浜を訪れると容赦なく降り注ぐ灼熱を跳ね返すような濃く青い海原の逞しさと、彼方まで続く水平線の向こう側から渚へと白く波打つ夏の海の魅力的な流動感。

海水浴の帰りに大きく傾いた西日に照らされ、道路脇の夏草を揺らす風に吹かれながら友達と飲む炭酸飲料は格別の美味しさでした。

 

この数十年の間に生活様式や気候をはじめとした環境は大きく変われど、夏の風情はやはり開放的で期待に膨らみ、また、この季節にしか挑めない高みに己自身を試みたくもなったりと、身体の内側から噴き出すような、なにか根拠のない高揚感が沸いてきます。

 

ただ今、各階のエレベーター前のロビーや4階のホールなど数か所に生の竹を立てかけ、願い事を綴った短冊や折り紙での飾りを吊るし、青竹が放つ自然の癒される香りが辺りに漂い、夏の雰囲気を醸し出しています。目を閉じると厳しい陽射しを遮った、涼しげで幽玄な深い竹林に迷い込んだかのような気分になります。      

少しでも入居者様たちへ夏の情緒が届けばと、スタッフ一同ささやかながらも工夫を凝らさせていただいております。その前を歩行器や車イスをご自分で上手にお使いになり、元気に仲良く通られる入居者様たちが微笑ましくてなりません。

 

僕の仕事机の目の前の観葉植物はミントからマリーゴールドに替わり、差し入れして下るご家族様やスタッフのご厚意で澄み切った清涼感を満喫させて頂いています。皆さま、いつも本当にありがとうございます。

先週、出勤前に時々立ち寄るコンビニの同じ歳の店員さんが言われました。「昔は扇風機だけでも過ごせてたんですけどね~」確かにそうでしたね。扇風機が1台しかない、真夏の6畳ぐらいの誰かの部屋に同級生が34人ぐらいは集まって半日は過ごしていました。(ちなみに僕のアパートは今でも扇風機だけです 笑)

 

これからも歩む道として、この先いくら科学が発達し文明が高度化したとしても、古来よりの日本らしい四季の趣はいつまでもずっと大切にして行きたいですね。

 

 

皆さま暑さにはお気を付けながら、それぞれの夏を大いに楽しんで下さい。

ではまた。

 

令和67月某日 にゃんこ部屋管理人

~にゃんこ部屋管理人の独り言~ VOL31

 つい先日、入居者様のご長女様よりお庭に自生しているというミントを何株か頂戴いたしました。すぐに形を整え自前の器に移し、仕事部屋の一画に飾り楽しませて頂いております。

 このご長女様はクリスマス前にも天然のハーブで手作りのリースをこしらえてお母様にプレゼントをされたりと、目を見張る器用さに合わせ、羨ましい程のセンスをお持ちになられています。いつも本当にありがとうございます。

 動物もそうですが、植物も前向きな気持ちで優しい言葉をかけながらお世話をすると、無造作に育てられたものより綺麗でいて長持ちをするという研究結果が報告されているようです。昔ある料理教室の先生に調理のコツをお聞きした時に、こうおっしゃられました。「塩1つを振る時にでも美味しくなぁれ。と念じながら材料と向き合って下さい」これ以外に技術的な指南やアドバイスは何もありませんでしたが、やはり一芸に秀でた方はどこか違うな、と大変感心させられたことをよく覚えています。

 このご長女様が作られる作品も、全体的なクオリティが素晴らしいことはもちろんですが、出来上がるまでの工程のどの部分をとっても、細部に至るまで手にした素材や送られる方への心くばりと思いやりが随所に満ち溢れています。それが完成した時の格別な質の高さの一因でもあるのでしょうね。

 

昨日までは強い雨の時間帯もございましたが、午前中の空に浮かぶ雲は夏を思わせる風景でいて、午後からは青空一色の日本晴れに恵まれた昼下がりです。換気をかねて駐車場側の窓を開けていますので、表からは雀の可愛い鳴き声が僕の机の所まで聞こえてきます。  

 

最近、昼休みに明るい曲調のケルト音楽を聴いていますが、初夏の気候と相まって、とてもポジティブな気持ちに切り替えられています。車を運転している時に車内に流れていたら、もうどこまでも走っていけそうなくらい気分を高揚させてくれますね。

僕自身はゲーマーではありませんので、そこまで詳しくはないのですが、この手の音楽は冒険物のロールプレイングゲームに良く似合いそうです。僕もこんな曲をバックに近所の猫達と旅装束に身を包み、村人達の期待を背に受け、すべての民を幸せに導く伝説の秘宝を探す冒険に出掛けたくなります。

 

 梅雨入りの発表直後でしたが、好天が続いた先週の週末は、僕のアパートの近くのイベント広場で夏祭りさながらの催し物が開催され、最終日の日曜日には、打ち上げ花火が星々と共に佐世保の夜空に舞いました。

視界の先をつたう雨の向こうの憂い深げなアジサイを楽しむ前に、もう夏真っ盛りのような2日間でした。

 

 

皆さま暑過ぎる昼間はくれぐれも体調管理に努められ、それぞれの毎日を満喫されて下さい。

ではまた。

 

令和66月某日 にゃんこ部屋管理人